文字のみの詩 ぜんぶまっくろ
こんなちっぽけな空は 黒い星が一条でも ぜんぶまっくろ
文字のみの詩 
文字のみの詩 僕たちの綺麗事
殺されるのは嫌だけれど あなたにだったら殺されてもよかった
文字のみの詩 愛してない
わたしは誰も愛してない
文字のみの詩 ただれた血
使い捨てのわたしでいいから 使い捨てのわたしがいいから
文字のみの詩 「 」
かぎかっこの中で 僕は待っている あなたが台詞をくれるのを 僕は待っている
文字のみの詩 誕生日
今年も一人で ショートケーキを食べる
短編 青を飲む少女
ワタシには、青いものを左手の薬指でなぞる癖がある。
文字のみの詩 もういません
憎ませてくれてありがとう わたしの死ぬ日は教えない
文字のみの詩 アマレットコーヒー
醒めないで甘い劣等感 ボク 誰よりも脳足りん
文字のみの詩 君の明日
君の明日をわたしにください
文字のみの詩 空に溺れる
空は液体 僕は溺れる
短編 最期の作品
「壊さないと、僕の作品は完成しないんだ」
短編 空の向こうには、
空の向こうには、あった。
詩（いちも詩） 心ないわたし
心ない言葉に 心ないわたしは 傷つく術もなく 立ちすくんでいた
文字のみの詩 安上がりガール
お金はいらない お金はいらない その代わりに愛を頂戴
文字のみの詩 二十三時
今日も終わりました あと一時間で終わりました
詩（いちも詩） 死にたがれるね
死んでしまえば 死にたがることさえ できないと うそぶきながら
詩（いちも詩） どうにもできない
苦しいとか悲しいとか 言葉だけは 一人前に覚えたね