パラノイア 詩(いちも詩) 2022.12.05 騙りあう夜もあった独りは寂しいと泣きながら交わすくちづけで体温を与えることよりも奪うことばかりを考えた パラノイアは音を立てて崩れてゆく いくら抱きしめても輪郭は滲まなかった水彩絵の具に憧れながら乾いたインクがぱらぱらと剥がれる 好きだと言うことよりも言わせることばかりを考えた 散らばるパラノイアを踏みつけて夜が明けたら さよなら 22.11.22