君が死んだら悲しい

悲しい

 

君が死んだら悲しい
とあなたが言うから悲しい

死にきれなかったわたしが
静かに泣きじゃくる横で
あなたはギターの古い弦を
ぱちぱちと切っていった

君が死んだら悲しい
と呟く
その声は冷えきっていて
ちっとも悲しそうじゃなくて
だからわたしの世界は
急速にシラけていった

弦を一本ちょうだい

震えるわたしの声に
あなたはただ嘲笑った

その弦でもう一度
首を吊って今度こそ

君が死んだら悲しい
とあなたが言うけれど
そんなのが嘘だって
証明したいから

シラけた世界に
あてどないQ.E.D.が
ふらふらと浮かんでいた

 

悲しい

君が死んだら悲しい
とあなたに言わせてしまう
自分が悲しい

22.01.09

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