マチカド

 

細い道を一人で歩く
行きたい場所などない
会いたい人などいない
あてどなく一人で歩く

マチカド マチカド
街のかどっこは
どこにあるのだろう

暗い道を一人で歩く
マチカドへ行きたいから
マチカドで誰かが待ってくれている
そんな気がしたから

 

靴が擦り切れた
足の裏が血だらけになった
もう立てなくなった
膝立ちももうできない
体を道に投げ打って
なんとか匍匐前進を繰り返した

けれどもう
体中が血まみれで

 

マチカドに辿りつけなかった
街のかどっこがどこにあるのか
見つけられなかった

暗くなった空から豪雨が流れてくる
傷口から酸性雨を吸い込んで

なんだか満たされていた

22.12.23

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