さよならを売り歩く少女 詩(いちも詩) 2023.01.05 日付がゆっくりと変わるまちで少女はひとり手を振りつづける通りすぎてゆく生き物は誰もがみんなそしらぬ顔してカレンダーをめくる指は見えない時刻をあわせる指は見えない次のまちへと道を辿れば崩れた青空のすきまに雨がふくれる日付が二度と変わらないひとが息のない目で少女を見つめる 「それは僕が欲しかったものです」少女はひとり手を振りつづける売れ残ったさよならを墓地にばらまいて少女はひとり手を振りつづける 22.10.10