短歌(うたの日)2022.06

うたの日に投稿した
2022年6月の短歌です

「知りあい」としか言われない僕だけどあなたのことがほんとうは好き
22.06.01「知」

いつだって僕の左に立っていたあなた もういないクロスドミナンス
22.06.03「左」

監獄に閉じこめられてしまいたい罪はなくとも罰を受けたい
22.06.08「獄」

アルコールには弱いから今日もまたオン・ザ・ロックで水を飲みます
22.06.09「ロック」

愛されている人がいて愛されていない人がいて僕は後者だ
22.06.10(自由詠)

「幸せになりなさい」って偉そうに指図するのはやめてください
22.06.11「命令形」

しあわせは君に任せてわたしただ「かわいそう」って言われたいだけ
22.06.12「任」

正しくはない順序でも構わない君がわたしを愛するならば
22.06.13「順」

去るものを追いたいけれどわたしから去るほどのものなんてないです
22.06.14「去」

動脈と静脈まぜて此の糸は絡まったまま紫になる
22.06.16「紫」

せんせいが好き、せんせいが好き、今日も二度と逢えない、せんせいが好き。
22.06.17(「せん」を三回詠み込んで)

僕たちはねじれの位置にいるのかもしれないこんな世界はねじる
22.06.19「位」

溶けすぎてしまわぬように塩酸の濃度を薄めるような優しさ
22.06.20「酸」

「ねえこれをなおしといて」と伝えたら「壊れてないよ?」と言われてしまう
22.06.22(方言を詠み込んで)

生きることを少しのあいだ休みたい気が向いたとき生きかえらせて
22.06.23「休」

君だけのための着せかえ人形にしてほしいですなんでも着ます
22.06.24「着」

六の目が出たらあがりというときにいつも五の目が出る生き様だ
22.06.25「六」

恋人が浮ついたあの子の名前その横にある「物故」の二文字
22.06.27「故」

人魚姫みたいに美しく消えてゆくことなんてわたしはできない
22.06.28「泡」

もしも君がもしもわたしがいなければ詠まれなかった歌があるんだ
22.06.29「詠」

夏なんてはやく終われよ誕生日なんて飛ばしてくれていいから
22.06.30「夏」

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