うたの日に投稿した
2022年3月の短歌です
その声が耳朶にゆっくり沁みてゆくことが昔はしあわせだった
22.03.03「耳」
ありふれた五月の蝿の鳴いているようなや*しい言葉をはらう
22.03.04「うるさい」
急すぎる別れけれどもあの人はずっと前からきっと決めていた
22.03.05「急」
最後まで僕をあだ名で呼ぶことのなかった人に捧げる黙祷
22.03.06「あだ名」
愛されていたいのかさえわからない急に現実感をなくした
22.03.07「現実」
「淡かった」「え、わかったの?」「ん、なにが?」(ねえ、わかってて言ってるでしょう?)
22.03.08「淡」
永遠はいらないいつか終わるからこそただ今を生きていられる
22.03.10(自由詠)
恋人を「先輩」と呼ぶタメ口のきっかけ逃したまま別れちゃう
22.03.15「先輩/後輩」
瑠璃色はラピスラズリの色だってどうせ僕には関係ないか
22.03.16「瑠璃色」
僕はただ僕のしもべでいつだって僕の機嫌をうかがっている
22.03.17「僕』
あの人の死にたい気持ちコピペして「これはわたしのもの」と言い張る
22.003.18「コピペ」
身を退いてあなたのことを見ていますこんな想いは伝えられない
22.03. 20「退」