短歌(うたの日)2021.11

うたの日に投稿した
2021年11月の短歌です

あなたからもらった傷もいつの日か疼かなくなることがさみしい
2021.11.01「疼」

わたくしはわたくしにネグレクトされわたくしに殺されていくだけ
2021.11.02「ネグレクト」

空き瓶に蝉の抜け殻両親に叱られたって集めつづけた
2021.11.03「瓶」

目が覚めて僕はやっぱり僕ですしサルバドールはダリなんですよ
2021.11.04「サルバドール・ダリ」

「なぜ無ではないのか」「ここにわたくしがいるからですよ」「ああそうですか」
2021.11.06「なぜ何もないのではなく何かがあるのか」

死にたいと思う気持ちも泡沫のようにはじけてくれたらいいね
2021.11.07「泡」

「お母さん、いる?」「いりません」欲しいのは母ではなくて母の愛情
2021.11.08「いる」

僕たちはリズムゲームが苦手だし会話はいつも噛みあわないね
2021.11.09「リズム」

日直の気怠い声で 起立、礼、 僕は席にはつかず夕暮れ
2021.11.10(自由詠)

負け犬が口ひとつ得て吠えていた口もうひとつ得て哭きだした
2021.11.11「犬」

ひょっとして別れの痛みを知るために僕たち出逢ってしまったのかな
2021.11.12「別」

どっちでも構わないから決めてくれ宙ぶらりんがいちばん困る
2021.11.13「どっち」

しあわせをかみしめすぎてもう味がしなくなったら捨ててしまうね
2021.11.14「噛」

バタフライナイフを閉じる手捌きがあなたに愛されなかった末路
2021.11.15「ナイフ」

隅っこでひとり笑って短歌にも詠まれないような人でありたい
2021.11.16「隅」

奪いあう愛の果てには憎しみがひっそりひっそり待っていました
2021.11.17「奪」

紅葉に憧れている手首には茶色くなった傷跡がある
2021.11.18「紅葉」

飼いごろしされたってもう構わない自分の意思はないほうがラク
2021.11.19「飼」

硝子には硝子なりの憂鬱がありいつか砕けてしまうこととか
2021.11.20「硝子」

僕は繭だけどなかにはなにもなくただ繭として死んでいきます
2021.11.21「繭」

ああ雌雄モザイクとしてあの人と混ざりあいたいすぐ死んでいい
2021.11.22「オス/メス」

滴れば滴るほどに生きていること思い知らされる血液
2021.11.23「滴」

いま月が赤いと君が言ったから靴紐なんて結ばず外へ
2021.11.24「靴紐」

伝わってほしくないことばっかりが伝わってしまうわたしたちだね
2021.11.25「伝」

空白という文字がありほんとうの空白なんてどこにあるのか
2021.11.26「空白」

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