短歌(うたの日)2021.09

うたの日に投稿した
2021年9月の短歌です

イキモノをひと休みして無機物になりたいあとでまた生きるから
2021.09.01「休」

靴紐を結ぶ時間も惜しいんだ君にあいたい早くあいたい
2021.09.02「靴」

くちづけの回数も会う回数も愛の重さと比例しません
2021.09.04「重」

水を飲む明日たくさん泣くためにあなたが死んでしまう日だから
2021.09.05「泣」

うつ病に効くと言われてピーナッツ食べれば食べるほどにさみしい
2021.09.06「ナッツ」

さんずいを書き忘れたらゼロになるよく泣いていたあの子の名前
2021.09.07「さん」

終止符の代わりに打った読点で僕はずるずるまだ生きている
2021.09.08「打」

鳴き声があればよかった言葉など持たないほうが幸せだった
2021.09.09「鳴」

くちづけで喉の渇きは癒えないし別に美味しいわけでもないし
2021.09.10(自由詠)

君の目を覚まさぬように少しずつ少しずつひき抜いてゆく腕
2021.09.11「覚」

存在を許されているいなくなることもやっぱり許されている
2021.09.12「在」

破りたい約束があるけれどまた僕は良い子を演じるだろう
2021.09.13「破」

空に火を点けたのはだれ夕焼けが落ちてくるまでには帰ろうよ
2021.09.14「焼」

六分の一の重さの涙ならすぐに乾くね月に行こうよ
2021.09.15「月」

紅の大きなバツを描く君とわたしの映る写真の君に
2021.09.16「紅」

ただ在るということに倦みそうだから僕にはこんな僕はいらない
2021.09.17「いらない」

とりあえず起きたけれども縁日の金魚みたいにすぐダメになる
2021.09.18「金魚」

ババ抜きのジョーカーみたいこの場所も僕をどこかへ捨てたいようだ
2021.09.19「ジョーカー」

もう味のないガムを噛むようにまたさよならをするさよならをする
2021.09.20「ガム」

夜明け前から進めずに暗いまま僕の世界は打ち切られそう
2021.09.21「夜明け」

血と汗と涙はこちら、こちらです。ドリンクバーには含まれません。
2021.09.22「ドリンクバー」

いっそもうおかしくなってしまいたい鏡に向かって「お前は誰だ」
2021.09.23「お前」

真夜中はすぐ、朝になる。朝はすぐ、夕方になる。夕方はすぐ、
2021.09.24「夕方」

心音をもしもミュートにできるならあなたにもっと会いに行くのに
2021.09.25「ミュート」

深淵をのぞくニーチェは神様に突き落とされてしまったらしい
2021.09.26「ニーチェ」

楽器にも気分の波はあるらしく今日は機嫌がよくないようだ
2021.09.27「楽」

黒鍵をでたらめに弾く白鍵は汚してしまいそうな気がして
2021.09.28「鍵」

「傍にいるだけでいい」とか言っていた君が遠くへいってしまった
2021.09.29「傍」

電話口越しに聴こえる虫の声君の街にも秋が来ている
2021.09.30「電」

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